ただただ大学の卒業旅行が地味だった、という話をします。

新潟へ旅行してきたので写真をアップします
(※本文とは関係ありません)
柔道とボクシングと極真空手の経歴をもつ普通のOL・チョビベリーです。
今回、編集さんから与えられたお題は『旅行』です。
チョビベリーマッチ vol.4「卒業旅行」
かれこれ30年以上生きていると
家族や学校や一人旅をあわせれば
国内外問わず旅行経験が出てくるものですが
今までで一番やり直したいと思うのが
大学生のときの卒業旅行です。

『味匠 喜っ川』の鮭
なぜかと言うとチョビベリーは当時
刹那的な考えがとても強く
「この先全員で集まることはそうないだろうし
長期間旅行に行けるほど時間があるのはいまのうちだけ」
という
自分が学生であることの貴重さを
とことん自覚していたため
行き先は海外しか視野になく
値段も場所も手軽なタイあたりで
4~5泊くらいがいいのではと
数人の友達と言いあってたんですが
男女織り交ぜて10人ほどいたグループ内では
海外だとパスポートがないだのお金が勿体ないだの
バイトする時間がないだのと否定派の意見が強く
まあお金の問題はどうしようもないけれど
せめて国内にするなら北海道や沖縄など
ほかに遠方や離島の選択肢があったにもかかわらず
結局は“お伊勢参りと奈良県一泊二日の旅”という
京都の大学に通っていた人間の思考とは思えないほど
超・近場への卒業旅行となりました。

JR新潟駅で日本酒を飲みくらべ
まさかの近畿地方を出ないという
冒険心をまったくくすぐられない結末に
タイ旅行を熱望していたチョビベリーは
場所が決定した段階でやる気がうせ
具体的な行先はブン投げでまかせていたところ
幹事の女子から当日に渡された旅のしおりには
「伊勢神宮」や「おかげ横丁」などのほかに
「本居宣長の像」という
マイナーなスポットまで書かれていたため
歴史にうとく興味がない芸大生だった集団は
「こんなん誰が行くねんッ!!」と
しおりを作った本人をのぞいて騒ぎだしたほか
伊勢湾から観光船に乗ったときは
その2年前にチョビベリーの別企画で
同じメンバーで船旅をした経験があったんですが
そのチョビベリーの旅に
「私は興味ない」と言って参加してくれなかった
今回の幹事の女子以外は
「またコレ乗るんッ!?」
とあきらかなデジャヴに困惑
「あの島はイルカ島って言うんやって! なにがあるんやろ」
と、ひとりではしゃぐ幹事女子に
「いや、前みんなで行ったし・・・」
とつっこむくらいしかできず
全体的にドラマの再放送を観ているような
生ぬるい感動しか得られないことにフラストレーションを感じ
次の日の奈良県に関しては
有名な吉野の桜を観るという内容だったんですが
こちらも以前みんなで来たことがあり
新鮮味も特にない行先だったため
脳が無駄なメモリーを使うことを拒否したのか
正直なところほとんど覚えていません。

新潟のB級グルメ「イタリアン」
参加したメンバーの中には
「大学のときにみんなで行った場所を復習するツアーになったな」
と優しい感想を述べる者もいましたが
一度行ったことがある場所に
何回も行くことを嫌うチョビベリーに加え
ほかの辛辣な友達にも
「あの卒業旅行はリベンジしたい」
といわしめる
後悔がのこる旅行となりました。
まあその理由も
当時は仲間をとても大切に感じていて
みんなと最高の思い出を作りたかった気持ちが
人一倍強かったんだろうなと思うし
幹事の女子含め当時の友達とは
全員でないもののいまだに親交があるし
もちろんみんなの事は今でも好きだし
当時もとくにケンカになるほどの事でもなかったんですが
ほぼ全員が浪人で入学し
ハタチを過ぎて数年経った
そこそこ大人の若さと責任感のある人間が
お金や時間がどうのと小さい事を言って
海外旅行という貴重な体験をしなかったのは
やっぱりちょっと勿体なかったのではと
祝日すら休みじゃない会社に入り
休みがなかなかとれなくなったチョビベリーは思います。
ちなみに卒業旅行の幹事だった子は
卒業後に学校の非常勤講師となり
春休みや夏休みの時期には
長期休暇で海外旅行へ行っているのを聞き
さらにフラストレーションがたまってしまったチョビベリーです。

おしまい
(文・チョビベリー)