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働きマン 編集者

仕事に迷いや不安を感じたら読んで欲しい漫画「働きマン」

ブルネイ

学業を終え、社会人となる。そこには 毎日仕事があり、それを当たり前のようにこなしていきます。しかし、仕事に対する情熱は十人十色です。そのひとりひとりにスポットをあてたのが安野モヨコの「働きマン」です。

仕事、そして立ち位置を見つめ直させる作品「働きマン」

理不尽に耐えながらがむしゃらに働く人もいれば、仕事への意欲がほとんどない人もいます。前者の人間=「働きマン」の筆頭が、本作の主人公・松方弘子です。

弘子は、週刊『JIDAI』の編集部に所属する28歳の女性編集者。仕事に情熱を傾け過ぎた結果、彼氏と
破局を迎えてしまう、バリバリのキャリアウーマンです。

彼女の仕事に対しての姿勢は単純明快、目の前の仕事に全身全霊をかけるスタイルです。

常に前進をし、自分とは全く違う意見の人間と衝突し、自分の考えの甘さに悔しさを覚えながらも、最後はなんだかんだ乗り切っていきます。周囲の人間から影響を受け、そして与えていく……。そのパワフルさに息を呑みます。

正しく生きられるわけじゃない。

働きマン3

主人公はいるものの、本作は話ごとにメインキャラクターが変わるのが特徴のひとつです。『働きマン』というタイトルではあるものの、バリバリ働く人だけをピックアップしているわけではありません。仕事を頑張りきれない人にもスポットがあてられています。

単行本の第2巻 VOL.12「逃げマン」のメインキャラクター・野島貴史は、弘子とは真逆で、頑張っても報われない人間です。いつか努力が評価されると信じて進んではきたが、結局最後まで何も手に入らなかったという人物です。

「一所懸命やってれば きっと いつか自分の企画の記事が書けて
次につながると信じていた」
(だって……学校の勉強そうじゃん…… 「社会は違う」って教えといてくれよ……)
「やったらやった分ちゃんと報われるなんてのは 理想であって現実はそうじゃない」

『働きマン』第2巻 VOL.12「逃げマン」p128.より


その空虚感は、入社して短くも長くもない20代なら、経験がある気持ちかもしれません。

目標があり、そのために周りが嫌がる雑用をこなしてきたのに、周囲からは「使い勝手のいいヤツ」としか思われていなかった。自分には雑用しかできないのではないか、自分がいなくても誰も困らない。自分は何のために頑張るのか?積もった小さな不安や怒りは山となり崩壊して、野島は締切りが差し迫っている現場を放棄して消えます。

仕事から逃げ出したいと思う人は少なくないでしょうが、本気で投げ出して逃走する人はごく僅かだと思います。しかし、そんなダメダメな彼の姿は、読者の心の奥底に眠る本当の気持ちを代弁してくれているのかもしれません。

こんがらがった末に職場から逃げた野島は社会人として失格です。しかし、常に正しくいられるわけじゃないという点では、ある意味、彼こそ人らしいのかもしれません

働きマンたちの魅力が詰まった社会人にこそ読んで欲しい作品

働きマン1

前に進む人もいれば、後ろに進んで止まってしまう人もいる。人それぞれ人生の歩み方が違い、それによって起こる喜びや怒り、そして「気づき」がこの作品にはあります。

連載休載中であるため単行本は4巻でストップしていますが、何度も読みなおしてしまいたくなるほど魅力がたっぷりと詰まっています。

「自分に似てるかも…」「こんな人いるいる!」と社会人が共感できる、“あるある”が盛り沢山です。

仕事が思うようにいかない、自分が何をしたいのか分からないなど、仕事をしている時の迷いや不安は誰にでも大なり小なりあるでしょう。そういう時に「働きマン」を読むと、自分だけが大変ではないということを強く感じられることだと思います。仕事、そして立ち位置を見つめ直すきっかけとなるのが、この作品の魅力です。

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「働きマン」

(文・ブルネイ)

 

ライタープロフィール

AFTR5編集部
女の子座りができないブルネイです。
地べたに座るのが苦手、掘りごたつ派。