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僕と君の大切な話 イメージ

異文化交流をする少女漫画「僕と君の大切な話」

ブルネイ

今回ブルネイが紹介するコミックは、男女の考え方の違いが生み出すトーキングラブコメディ「僕と君の大切な話」です。

暴走系ヒロインは常に斜めに暴走する

「僕と君の大切な話」は、主人公のヒロイン・相沢のぞみと、ヒーロー・東司朗の2人の会話が特徴的なトーキングラブコメディです。

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“静”と“動”、相反するものは、少女漫画において相性はバッチリです。

女がぐいぐい迫って、男が後ずさりしていく関係は「のだめカンタービレ」でも見られます。真逆な性格だからこそ惹かれあう。その不思議な組み合わせに読者は引き込まれるのです。

「僕と君の大切な話」の、のぞみと東も同じ。物静かでクールな東の前に、ある日突然現れたのぞみ。最初は他人だったが、のぞみの告白によって“赤の他人”から“知り合い”へと関係が変化していきます。

しかし、のぞみは東への“想い”だけでなく、東の私物を密かに盗んでいた(!)ことまで暴露し、ドン引きされてしまうのです。

のぞみは美少女の設定ですが、盗みを働く美女がストーカーではどんな男子高校生も、ときめきが吹っ飛びでしょう。

一方のぞみも、東のズボンの裾からのぞく“すね毛”にときめきが吹っ飛んでしまい、その場から逃げ去って、一度は恋の幕が降りてしまうのですが、のぞみは東に痴漢から助けられ再び惚れてしまい、その後もしつこく話しかけていき、お互いの間にある溝を少しずつ埋めていきます。

女が男にツッコミ、男がそれに反論する

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本作が、トーキングラブコメディと称される理由は、ひたすらのぞみと東が決着のつかない会話を繰り広げるところにあります。毎話何かしらの討論が行われるのですが、議題は「女と男の間にある溝」です。

「どうして男は…戦いが好きなの」

「僕と君の大切な話」単行本1巻 ep.1「これから大切な話をします」p8-9.

象徴的なこのセリフは、のぞみと東のファーストコンタクトで、のぞみが問いかけるセリフです。

「…この間 弟の漫画を読んだのだけど どれもこれも戦ってばかりだったわ
一つの戦いが終わったと思ったら 人間的成長があるでもなく また次の戦い…
なぜ男は戦うの その先に何があるの 手からビームが出てなんだというの」

「僕と君の大切な話」単行本1巻 ep.1「これから大切な話をします」p9.

淡々とした態度を崩さないまま、東に、そして読者に向かってのぞみは問いかけます。それに対し、同じく淡々とした態度をした東が真顔で反論します。

「…それを言ったら 少女漫画だって似たようなものじゃないか
古今東西 男女の色恋沙汰だ
なぜ冴えない主人公に2人の男が言いよるんだ
男も女も狭い範囲で付き合いすぎだろ
彼がトラウマを乗り越えたからなんだというのか」

「僕と君の大切な話」単行本1巻 ep.1「これから大切な話をします」p10.

2人はこういった感じで、常日頃抱いている「男ってどうしてこうなの?」「女は理解不能な生き物だ」と言いながら自分の考えを互いにぶつけていくのです。

お喋りをして相手と交流を図るのではなく、この2人は自分の意見を伝えることでコミュニケーションをとっています。極論を持ち出して、ああだこうだとぶつかっていきますが、話せば話すほど相手を知っていく2人。

分からないからこそ近寄って、話をする


好きだからこそ知りたいという欲求を、言葉を使って解消する「僕と君の大切な話」。作中で東は他人を“異星人”と例え、言葉はそれを繋ぐための手段だと言っています。

赤の他人だからこそ言葉を重ねなければ理解できない。言い方を変えると、話せば少しは理解できるかもしれないということでしょうか。

「なぜ?」という理解不能な印象から、「こういう人なのだ」という認識に変わるのは大きな進歩です。異文化交流を深めていくのぞみと東。この2人の物語はまだ始まったばかりです。

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僕と君の大切な話

(文・ブルネイ)

ライタープロフィール

AFTR5編集部
女の子座りができないブルネイです。
地べたに座るのが苦手、掘りごたつ派。