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はじめの一歩 森川ジョージ

根性論で終わらない…努力が勝利へと繋がる漫画「はじめの一歩」

ブルネイ

単行本が100巻を超える長寿漫画、森川ジョージ作「はじめの一歩」。アフターファイブ、そして秋の夜長にこそ読んでほしい漫画です。

週刊少年マガジン最長作品「はじめの一歩」

昭和のボクシング漫画が「あしたのジョー」ならば、平成のボクシング漫画は「はじめの一歩」といっても過言ではないでしょう。1989年に週刊少年マガジンで連載が始まり、単行本が現在115巻まで発行されています。

いじめられっ子から日本チャンピオンへ

主人公・幕之内一歩は気弱な性格から、クラスメイトにいじめられる日々を送っていました。ある日、いじめられていたところをプロボクサー・鷹村守に助けられ、ボクシングに魅せられた一歩は、鷹村が所属する鴨川ボクシングジムへと入所します。そこで後のライバルとなる宮田一郎と出会い、彼とリングの上で戦うことを目標に掲げながら「強さとは何か」の答えを探し続けます。

初心者がそのスポーツの面白さを知り、プロとなっていく王道ストーリーの中には“努力”が詰め込まれています。

生真面目な性格から、どんな練習も積み重ねていき、努力家であることが全面的に押し出された主人公・一歩。本作には数々の練習シーンが描かれていますが、印象深いのが1巻で登場した“木葉つかみ”です。

鴨川ジムへの入所を希望する一歩に対し鷹村は、木から落ちてくる木葉を、1週間以内に素手で10枚つかむことを要求します。

簡単に思えたこの試練。しかし、いざ実践してみると木葉は垂直ではなく不規則な動きで落下するため、その動きに一歩はついていくことができませんでした。それでも音を上げることなく挑戦し続けていった結果、約束の最終日に10枚全て取ることができるのです。

 本作では、木葉つかみをはじめとして、無理難題な課題に挑み、そしてそれを成し遂げるシーンがふんだんに盛り込まれています。その姿に読者は感動し、一歩というキャラクターに魅了されていきます。

もう1人の主人公・鷹村守

はじめの一歩 森川ジョージ

※画像はイメージです

一歩をボクシングの世界に引き込んだ鷹村守。彼はボクシングの申し子といえる天才肌の人間で、無敗を誇る世界チャンピオンです。

警察の厄介になるほどの不良であったところを、鴨川ジムの会長・鴨川源二に拾われたのは「あしたのジョー」の主人公・矢吹丈と似た点ではあります。しかし、鷹村が大きく違うのは、彼は大人がガキ大将になったかのようなオレ様キャラであることです。

唯我独尊でデリカシーにも欠け、自分が常に1番でないと気が済まない。さらに一人称が「オレ様」と、まさにガキ大将キャラクター。しかし、ボクシングに対してだけは誠実です。前人未到の6階級制覇(ジュニアミドル・ミドル・スーパーミドル・ライトヘヴィー・クルーザー ・ヘヴィー)を目標に掲げ、現在は2階級制覇を遂げています。

一歩や他の後輩にアドバイスをしたり、喝を入れたりと先輩らしい一面を見せ、鴨川ジムの先頭に立ち引っ張る鷹村。天才ではあるものの、一歩同様に努力を怠らず、毎試合減量を行うなど、耐え忍ぶ姿も見られます。

本作一のカリスマ性をもちながら、普段の子供じみた振る舞いという二面性をもつ鷹村は、私生活も試合も真面目な一歩とは真逆です。しかし、一歩と同じく自分の人生を変えてくれたボクシングと鴨川に深く感謝をし、トップを走り続けています。

根性論で終わらない精神

一歩、鷹村の努力の裏には常に鴨川会長の存在があります。“昭和の頑固おやじ”そのものの鴨川ですが、ただひたすら根性を唱えるだけではありません。

 「努力した者が全て報われるとは限らん
 しかし……成功した者は皆すべからく努力しておる!!」

(「はじめの一歩」 第42巻 第371話p156.より)

鴨川会長は、この言葉を選手たちに贈り、努力の先にある勝利へと背中を押します。

努力しても無駄と思わせず、コツコツ積み重ねさせる指導者のもとには2人のチャンピオンが生まれています。説得力のある努力が、本作の最大の持ち味です。

はじめの一歩 森川ジョージ

「はじめの一歩」

(文・ブルネイ)

ライタープロフィール

AFTR5編集部
女の子座りができないブルネイです。
地べたに座るのが苦手、掘りごたつ派。