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金田一少年の事件簿 漫画

犯人の悲しき犯行理由…裏側に潜む悲劇にも注目「金田一少年の事件簿」

ブルネイ

「金田一少年の事件簿」は、主人公金田一一(きんだいいち・はじめ)が、悲しく凄惨な殺人事件の解決に挑む推理漫画です。現在までの既巻は66巻。アフター5にぴったりの長編作品です。

「金田一少年の事件簿」とは

1992年に週刊少年マガジンで連載がはじまったミステリー作品「金田一少年の事件簿」。金田一耕助の孫である主人公・金田一一が行く先々で巻き込まれる事件を解決していきます。アニメや小説などメディア展開が多いですが、今回は漫画版を紹介します。

特徴的な犯人

金田一少年の事件簿 漫画

本作の特徴は、登場する犯人に“怪人名”が付いている点です。

代表的なのが、金田一のライバルである高遠遙一。犯罪芸術家を名乗り、いくつもの事件で犯行を重ねる彼の怪人名は“地獄の傀儡子”(じごくのくぐつし)。

裏で手を引き、殺意を抱く人間の背中を押して殺人者にさせる非道な人間です。自分の手を汚さずに犯罪を起こさせる姿は、まさに人形を操る傀儡子といえます。他にも“怪盗紳士”“雪夜叉”“放課後の魔術師”など毎話、個性豊かな怪人が登場します。

犯行の裏に隠された悲しい真実

金田一少年の事件簿 漫画

本作に出てくる事件の多くは入念な計画のもとに相手を殺す復讐劇です。

第1話となるファイル1「オペラ座館殺人事件」は、ミュージカルで有名な「オペラ座の怪人」に見立てた連続殺人で、怪人は“歌月”。顔を白のマスクで覆い、帽子とマントで体を包む姿はまさに、「オペラ座の怪人」の主役ファントムそのものです。

この事件は、女優としての才能を持っていた月島冬子が顔に硫酸を被る事故に遭い、役者生命を絶たれたことから飛び降り自殺を図ったことが発端です。

硫酸を被ったこと自体は事故であったものの、その硫酸を戸棚の外に出していたのは冬子と同じ演劇部員だった女子生徒3人でした。冬子を驚かすつもりで硫酸を取り出し、そのうえ冬子が事故に遭ったことを「ラッキー」だと話しているところを、冬子とその恋人・有森裕二は聞いてしまいます。

有森は3人に怒りをぶつけようとするも、冬子はそれを止め、事件の真相を警察に話すことなく翌日に自殺をします。女優としての道だけでなく、冬子の命までも奪った3人を有森は許すことができず、復讐に走ります。

大切な人を理不尽に奪われたケースが多く、強盗などの私利私欲で犯行に及ぶケースが少ないのが本作の特徴。斧で頭を一刀両断、体の一部を切断など凄惨な殺人が目立ちます。

しかし、犯人たちははじめから殺人鬼だったわけではありません。

犯人たちが殺した人間たちによって、心から想う人が酷い目に遭わせられたことが根本の原因。失った人の存在が大きければ大きいほどなくした時の喪失感は大きく、それが奪った相手を絶対に許さないという思いが復習へ結びつきます。

自分の人生を投げ打ってでも復讐を果たそうとする純粋なまでの殺意、殺す道しか選べなかった犯人たちの悲しさ。推理漫画の本作はトリックを暴くことが1番の楽しみですが、事件を引き起こす犯人に注目して読むとまた違う楽しさが生まれます。


金田一少年の事件簿 漫画

「金田一少年の事件簿」

(文・ブルネイ)

ライタープロフィール

AFTR5編集部
女の子座りができないブルネイです。
地べたに座るのが苦手、掘りごたつ派。