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ユニセックスとクロスドレス―異性装が許される文化祭

駿河 慧

学生生活の中で文化祭は、カップルが生まれたり、新しい友達が生まれたりと、生徒同士の距離が縮みやすい学内行事です。体育祭と違い、身体的能力が求められることも少ないため、誰もが参加しやすい面があります。

私が高校3年生の時、焼きそばを売る模擬店をすることとなり、男子も女子もソースの匂いをさせながら販売していました。その時の印象深い思い出が、一部の男子と女子が「互いの制服を交換し、接客をしていた」ことです。

文化祭というお祭りムードの中、異性装を楽しむ空気がありましたが、普段であれば異性の制服を着ていたら奇異の目で見られるでしょう。

私はこの男女を真っ二つに分かれさせる制服という文化に常々疑問を抱いていました。そう思ったのは、“ユニセックス”と“クロスドレス”という言葉を知った時です。

ユニセックスとクロスドレス


男女 制服

ユニセックスとは男女共用の衣服のことを指す言葉で、クロスドレスは、学生服のような着る性別が決められている服を異性が着ること、つまり異性装のことです。

クロスドレスは、公的な場では好奇の視線が注がれます。特に制服においては、ほとんどが男と女の2つに分けられ、ユニセックスという考えが少ないのが現状です。

制服には着用義務があり、制服を着るたびに女であることを強制させられているような気がして、学生時代の私は少し息苦しさを覚えました。

女であることは事実だし、女に生まれたことに対する嫌悪もありません。けれども、「なぜ女子の制服にズボンがないのか」「なぜ、女子も男性も性別によって型にはまった服を着なければいけないのか」という疑問が次々あふれてきました。

二者択一の学校は息苦しい

女子高生 男子高生 制服交換 入れ替わり

「男子がスカートを履き、女子がズボンを履く」

文化祭で異性装が行われるのは、異性の服を着るその姿が物珍しいからです。

ルールが常識として世間に浸透しているため、誰もそれを疑わないし、そのルールに当てはまらない人はひたすら目立ちます。

ユニセックスの学生服が少ないのは、大多数の人が自身の性別に合った服を着ることになんら違和感を覚えないからです。異性の服を遊びで着ることはあっても、日常的に着ようと思う人はまだまだ少数派です。

もし全ての学校にユニセックスの制服があったとしても、自分なりの考えがない限り選ぶ人は少ないでしょうし、着たいと思ったとしても浮くのを恐れ、自分の意見を押し殺してしまうかもしれません。

しかし、世の中には少なからずスカートやズボンを履くことに抵抗を感じる人はいます。

「もし学生服がユニセックスのデザインだったら」
「もし、男女関係なくズボンやスカートが履けたら」

文化祭が開かれる度にそう考えていました。
性別に合わせた服というのはあくまで記号的に性別を判断するだけのものです。
分かりやすさは大切ですが、人によってはそれが押し付けと感じます。

秋は文化祭の季節。毎年この時期がくると、学生時代を思い出し、何とも言えない気持ちになります。二者択一ではなく、複数の選択肢があり、それを受け入れてくれる世の中だったら、私のような人間は、呼吸が少し楽になったのではないかと思います。

(文・駿河慧)

ライタープロフィール

水族館は好きだが、生臭いのだけは耐えられない。