制服目当てに受験勉強を頑張る女子はいけないのか
冬が近づいてきていよいよ受験シーズンです。世の学生さんたちは受験勉強に励んでいることでしょう。
私は「指定校推薦」(※)で高校進学したため、受験らしい受験をしたことがないという、受験生に嫉妬されそうな学生でした。しかし、私も適当に受験をしたわけではありません。指定校推薦をとりにいったのは、その高校の制服を着たいがためでした。
※推薦入学のひとつ。指定校と学校側の信頼関係で成り立つ推薦で、一定の成績をおさめた生徒を学校が推薦する制度。試験内容も通常の試験と比較すると簡易なものが多い。
ミーハーすぎた中学時代
指定校推薦のおかげで、他の受験生より比較的楽に合格した私。しかも合否が出る時期も一般試験の受験生より早いため、合格が決まってからはひとり優越感に浸りながら学校のパンフレットを毎日眺めていました。
目指していた高校は死ぬほど制服が可愛く、某アイドルの撮影衣装として使用されたことがあるほどデザインが良いものでした。
せっかくの高校生活。部活に入る予定がなく、せめて制服くらいは可愛いものを着て高校の思い出にしたいと思っていました。今思えば、なんてミーハーな受験理由なのでしょうか。完全に若気の至りです。
違う高校に行った友人は、自分の夢のために学校を選んでいたので余計そう思いました。
意外と多かった制服目当て
念願だった制服に身を包んで鏡の前に立つと、うっとりしました。
制服は紺のブレザーで、リボンは赤という王道スタイル。チャームポイントはチェックのスカート。しかもシャツは3種類、リボン・スカートは2種類の色が選べるという大サービスっぷり。これはもう惹かれずにはいられません。そう感じたのは私だけではなかったようで、クラスメイトの女子の大半は制服目当てでした。どうやら、私の学校では結構メジャーな志望理由だったようです。
女子という生き物は着飾ることに強い憧れを抱くようで、可愛い制服は思い出の必須アイテムです。「制服可愛いー」なんて言葉が貰えたらそれはもう鼻高々に自慢しまくりました。当時の私は本気でしたが、「可愛い制服を着たい」という願いは、思い返すとなかなかに小さな夢です。ですが、ある意味中学生らしかったともいえます。
制服は、女子高生というブランドの象徴です。
一生に一度の高校生活だからこそ制服のために受験してもいいじゃん!
可愛い制服に身を包んだ写真がたくさん手元に残る私は、今でも後悔が全くないです。
なりたい職業がまだ決まっていなかった私にとって、未来とは高校生活のことを指し、それを最高の思い出にするための手段が受験でした。自分の未来のために頑張ったという点では、夢のために高校を選んだ友人となんら変わりありません。
選ぶ高校を間違えたという後悔は大人になってもずっと残ります。自分の意志で、後悔のないように選んだのなら、たとえ制服目当てだとしても、卒業アルバムを見返した時に、最善の選択だと思えるでしょう。
(文・駿河慧)